難破船まじやみの冒険

迷いながら日々生きています

建”僕”記念日 オタク遍歴大公開SP

ご無沙汰のブログ更新です。まじやみです。

ボの界隈に来て1年半ほどが経ち、つじもとさんやボイメンがくれる供給を追いかける毎日にもだいぶ馴染んできたなと感じています。沼落ちした当初はジェットコースターに乗っているような状態でしたが、諸々の困難(休養・炎上・コロナ・前髪ロス等)を乗り越えて、推すペースというか、推しとの心地よい距離感みたいなものを、ようやく掴んできたかなという、そんな様子です。

 

しかし……比較的平穏な日々の中で、僕は「ボイメンを知る前の僕が好きだったものを、忘れてしまっているのではないか」という感覚になることが、少しずつ増えてきました。

というのも僕、ボイメンにハマる前まではアニメやゲームや声優など、いわゆる「2次元」コンテンツのオタクをやっていました。しかもそのほとんどが「女性向け作品」として造られたものです。

ボに来たときは自分が元オタクなことをわざわざ公言する必要もないよなぁ、と思っていましたし、(なんならボの楽しみ方も「一部の友達と一緒にひっそり沸き散らしていればいいかなぁ」と思っていたくらい)こんなにもボイメン一辺倒になるとも思っていませんでした(=もっと2次元との両立が出来ると思ってた)し、こっちのアカウントで仲良くしてもらえるフォロワさんがこんなに増えるとは思ってもいませんでした。(仲良くして下さる皆さん、いつもありがとうございます!)

いろいろな想定外があってここに至った僕ですが、いまの幸せは昨日や今日パッと手に入ったものではありません。これからもっと先に進むために、もっと自分のなかの「好き」を理解するために、ここいらで一度、僕が今に至るまでにたどった道のりを書き残しておきたいような、書き残しておかなければいけないような、そんな衝動が突き上げてきました。

 

とはいえ、つまるところこの記事はしがない男性による乙女用コンテンツ語りです。

もしかしたらこの話をすることで、気味悪く思われることもあるかもしれません。そう思われる方の気持ちも理解していますし、その気持ち悪さを否定るする権利も、僕にはありません。でも、この記事を書くことで、もしかすると僕について「アンタッチャブル」みたいに思われている領域を減らせるのならば、それは願ってもないことだなと思いました。

 

というわけで、今回は僕がボの界隈に来る前にハマっていたもののお話。

 

0.きっかけ

僕がオタクになったのは、いまから約8年前のこと。7:3くらいで女子が多い大学に通っていた僕は、縁あって4人のオタクたち(同級生の女子)と出会いました。

「マンガを買うくらいなら別のものを買った方が役に立つ」などと嘯いていた父親のもとで育った僕は、高校時代に(受験勉強から逃れるため、しかもかなりよろしくない手段で)ワンピースやテニプリなどのジャンプ系作品のアニメをこっそり見ていた程度の理解しか持ちえなかったものの、「まだ見ぬもの」として、アニメやマンガへの興味を育てていました。

そんな僕は大学生特有の「何か新しいことを始めたい欲」も手伝って、仲良くなったオタクたちの布教を受けることになりました。軽い興味で沼に踏み出した僕は、4人の友人たち(=もはやお師匠)による適切な教育によって、坂道を転げ落ちるように「女性オタク化」されることになるのでした。

以下、僕が出会ってきた様々な作品の中からジャンルごとに、僕が特に大きな影響を受けた「推し」の遍歴を振り返っていきます。

1.推し声優

僕のオタクスタイルは、基本的に声優さんに興味の対象を置きながら、派生していろいろな作品を渡り歩いていくような感じだったように思います。というわけで、声優さんの推し遍歴を見ながら、僕のオタクとしての成長過程をたどってみます。

中井和哉さん

僕がオタク化する前から推し的な存在だったのが中井さんでした。ワンピースに沼ったきっかけはロロノア・ゾロで、(ミホークとの決戦のシーンが好きすぎて、あのシーンの一連のセリフを一時期は暗記するほどだったのですが、それってもしかして既に十分にオタクなのでは……)そこをきっかけに、「銀魂の土方さんや戦国BASARA伊達政宗も中井さんや!」みたいな純粋な時期が僕にもあったなぁ…… あとはアッコにおまかせの週刊ニュースのナレーションもされてる!ってことに気付いて、毎週日曜朝はアニワン*1からおまかせの流れでTV前に貼りついていたのも思い出しました。

前野智昭さん

中井さんが僕にとって初めての推し声優だとするならば、前野さんは僕がはじめて生で観た声優さんになります。

僕のお師匠のひとり(お師匠Aとしましょう)が前野さん推しで、彼女がカラオケでカルナイの「QUARTET★NIGHT」を歌ってくれたことがきっかけで僕はキャラソンの沼に落ちていくのですが、そのお師匠Aと一緒に参戦したのがこちらのイベントでした。

 大学の声優研究会のイベントって、そのほかのイベントに比べて圧倒的にチケットを取るために必要なコストが安いんですよね。アニメのイベントだとDVD買って、抽選に当たったらチケ代を払うので、大学生くらいの身分だとなかなかに覚悟が必要なのですが、こちらのイベントは確かチケ代が3000円くらいだったはず……なのですごく軽い気持ちで行けちゃったんですよね。

 で、「声優さんって意外と話おもしろいじゃん!」「声カッコいいじゃん!」「よく見たら顔もかっこいいじゃん?」という感想を抱き、オタクの階段のぼる……といった具合です。

細谷佳正さん

前野さんで声優界隈への扉を開いてしまった僕ですが、本格的に「ハマった!」という実感を伴って推したのが細谷さんです。

細谷さんは別のお師匠(こちらはお師匠Bとします)の推し声優さんでした。お師匠Bは先のイベントで僕が増田俊樹さんとのご対面を済ませていることを糸口に、増田さんと細谷さんの声優ユニットであるMaxboysを布教してきました。

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カッコいい声なのにどこかあどけない表情のお声だったり、Maxboysの楽曲自体が良かったり(僕はもともと詞を重視するタイプの人間だったのですが、マクボの曲の詞ってどこか無常観みたいなのが漂ってて風情があるんですよね……)あとはこれはラジオやイベントに行きはじめて分かったことなんですが、ちょっと天然さんなとこがあったり、喋ってる声がとにかくデカかったりとか、神経衰弱のように僕の好みを次々とあぶりだしていったのが細谷さんでしたね……。(辻本さんとの共通点みたいなものが、この段階からすでに見え隠れしているように思います)

先述の前野さんとの共演の機会も多く、また一時期はキャラソンのジャンルでも精力的に活動されていたことから、細谷さんは文字通り僕のオタク活動の軸になっていきました。

しかし2017年、細谷さんは喉の手術のために休養に入られ、僕は初めて推しがいない時期を過ごす経験*2をしました。復帰をゆっくり待つつもりだったのですが、推しの声が聴けない寂しさの中にいた僕は、次の推しとの出会いを果たします。

濱健人さん

細谷さんの復帰を待つ間、あちらこちらのジャンルを漁って寂しさを紛らわしていたのですが、そんな折に存在を意識し始めたのが濱さんでした。

声優沼落ちからしばらく、声優さんが歌う楽曲の収集を主な生業(?)としていた僕が当時手を伸ばし始めていたのがアイドルマスターSideMでした。*3細谷さん休養の折、例の師匠Bと傷心を慰めるための飲み会の中で何気なくSideMを話題に出すと、彼女は「SideMって陸奥守吉行の人いるよね?」という一言を繰り出してきました。

陸奥守吉行とはゲーム「刀剣乱舞」に登場する刀のキャラクターです。サービス開始時から刀剣乱舞をプレイしていた僕ですが、そのころのお目当ては前野さん演じる山姥切国広だったこともあり、僕にとって濱さん演じる陸奥守吉行は当時あまりピンとこない存在でした。またSideMの方も、濱さんが木村龍役に決まったばかりのタイミングだったこともあり、僕が当時度ハマりしていた1stライブ*4に濱さんは出ておらず。そのタイミングでは濱健人という声優の認識自体が「名前はどっかで見たことがあるような……」というレベルだったんですよね。

ところが師匠Bの指摘を受けて声を聴いてみると、明るく元気な声の中にも湿度の高さを感じさせるお声。このお方ちょっと気になるな……?と思っていたところに、こんなものが見つかってしまいます。

 いや~~こっからが早かった。そもそも前野さんとか細谷さんとか、中堅どころの声優さんたちのことしか知らなかったので、若手の声優さんは動画コンテンツやイベントに出て、顔を売ってファンを獲得するんだ…!みたいな活動を多くされていたことを僕はこの時にはじめて知ったわけです。そうなったら「じゃあ実際に行って応援しないとね!」みたいな気持ちになっちゃいますよ。

ちなみに僕の濱さんとの初邂逅は2017年11月26日、東京タワー近くのフツーの会議室でやったK4のイベントでした。「なんかイベントがあるらしい」「チケットまだあるらしい」みたいな軽い気持ちで参加したのですが、その日はまさかのメンバー4人全員とのお渡し会があり、それが僕にとっての初接近イベントになったのでした。*5お渡し会の存在はちゃんと告知はされてたらしいのですが、ちゃんと読んでなくて会場で初めて知って派手に事故って死にました。*6

それから本格的にSideMや刀剣やA3で濱さんのキャラに触れ、濱さんが出身地高知の印刷屋さんの後援でやってたラジオ番組を聴き、どんどん沼の深いところへと下って行きました。お芝居がんばりたい!という実直なお人柄や、かわいいとカッコイイが同居したルックスや、ちょっと天然なところ声がでかいところや、SNS周りのルーズさ*7みたいなものまで含めて、僕が好きになってしまうポイントがたくさん彼にはあり、もっとお声を聴きたい、もっとお姿を見たいと思った僕は、濱さんが出演するソシャゲとリアルイベントへ参戦するようになっていきます。

イベントは平時で月に2~3回、多い時は6~7回行われ、よほどの事情がない限りはほとんど現地を踏んでましたね……。(イベントの種類によっては平日夜にもあったりして、その時は「無茶しやがる…!」と思っていたのですが、ボでは当たり前のように平日にイベントをやるので、常識って言葉の空しさってやつを知りました)イベントのチケット確保がきっかけとなり、オタク同士で交流を深め、アフターやオフ会なんかもたくさんやってました。

あとは遠方で行われるイベントのために遠征を組んだりしたのも、濱さん推しになってからだったなぁ。でも基本的にお金はなかったので、夜行入りの夜行帰りという必殺技を編み出してしまい、それが現在も抜けきらないみたいなことになっています。*8

たくさんイベントに行きましたが、いちばん思い出に残っているのは「文豪殺人」の朗読劇ですかね……6月の雨のピューロランドであんな内容*9の朗読劇をやるなんて思ってなかったので、そこから2ヶ月くらいずっと精神的に不安定な時期を過ごしました……

 その後

2019年6月に辻本さんとの出会いを果たすと、次第に僕の中で2次元界隈にリソースを割く余裕がなくなっていき、現在ではほとんど声優さんたちの界隈の情報は追えていない状態になっています。濱推しの方との交流もまだありますが、だいぶご無沙汰になってしまっているのは、僕としては申し訳ないなと思ったり……。

ただしその一方で、特定の推しに対するこだわりが和らいできたこともあり、いままであまり縁のなかった声優さんにも目が向くようになってきました。ずっと気になっていたけども手を出せずにいた畠中祐さん(確か東海ラジオあたりで番組を持たれていますよね)は、最近になって良さがわかってきました。*10ソロライブの円盤もよかったなぁ。エスケーエイトは録画ミスってまだ1話も観れてないのはホント今年最大のポカだと思う

 

2.推し作品

さて、声優さんの推し遍歴を語ってしまいましたが、このへんからは僕が特にハマった作品を挙げつつ、現在の僕の「好き」がどうやって発見されたのかを考えてみます。

うたのプリンスさまっ♪(無印のみプレイ済)

先に述べたように、僕がオタク化するきっかけとなったのがうたプリ(のキャラソン)でした。

それまでの僕にとって「キャラソン」というと、あんまり垢抜けたものではない印象だった*11のですが、うたプリは作曲家集団Elements Gardenの提供してくる楽曲の質が高くて、音楽としてふつうに楽しめたのが僕にとっては革命的したね。この作品がきっかけとなって、以後僕は作曲家を見てキャラソンを聴くことと、楽曲から推し作品を探し出す術を覚えました。

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ちなみに原作(?)の乙女ゲームは無印しかプレイしてないのでアレですが、カルナイのカミュ様が気になって沼インしたので、一応愚民の自覚はあります。ただうたプリでは特定のキャラクターにこだわるというよりかは、うたプリの楽曲を推していたという表現が正しいような気がします。ほんとに楽曲は死ぬほど聞いたので、たぶん音が流れたらどの曲もなんとなく歌えるはず*12

俺様ティーチャー

声優楽曲に目覚めるのとほぼ同じころだったと思うんですが、師匠Bに椿いづみさん『月刊少女野崎くん』を貸してもらいました。すごく面白いね!と沸き立つ僕に、じゃあ同じ作家さんでこれはどう?と紹介されたのが『俺様ティーチャー』でした。

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この作品、舞台が荒れまくりのヤンキー男子校でして……この作品がきっかけとなって僕の中の「ヤンキー」好きが始まったといっても過言ではないと思うんですよね。

ちなみに並み居るヤンキーたちの中で、やっぱり僕は早坂くんが好きでしたねぇ。「一匹狼風なんだけど、実は情に厚いみたいなひと」がどうしても好きなんですが、外見的な話だと三白眼キャラも大好物でして。*13

しかしそこに加えて早坂くんは美しい金髪の持ち主なんですよね……辻本さんの金髪時代に夢を見てしまう僕の業がここにすでに現れているとは……

BROTHERS CONFLICT

声優に興味を持ち始めた僕に「これならいろんな人出てるよ」と師匠Aが勧めてきたアニメがブラコンことBROTHERS CONFLICTでした。前野さんや細谷さん以外にも有名中堅どころがワンサカいたり、「親の再婚で義兄弟になった13人の男たちに次々言い寄られる」みたいなトンデモ設定だったり、いろいろなところが気になる作品なのだけれど、そんなことよりアニメのEDがいろんな意味で強すぎて一発でやられました。

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実はこの作品、原作のノベルでは勝者が決まっていたりするのですが、前野さんも細谷さんもとにかく不憫な役柄なので、当て馬的なキャラクターの良さに本格的に目覚めた作品となりました。

ちなみに最推しは誰?と訊かれたら棗さん!と答えたくなるのだけれど、あまりにも細谷さんの演じる侑介くん(変形短ランの赤い髪の硬派ヤンキーくん)があまりにも放っておけない子だったので、どうしても彼を見捨てられない!みたいな気持ちにさせられていました。もうボイメン辻本に落ちる未来がはっきり見えて、笑うしかないですね……

刀剣乱舞

推し声優語りでも登場しましたが、2015年にサービスを開始した刀剣育成ゲームです。

僕がオタクになりたての頃は、師匠たちの布教を受けながら過去の作品をたどってばかりの毎日でした。それはそれで楽しかったのですが、「今の旬ジャンルに乗ってるぞ!」みたいな感覚に飢えてたので、当時の僕はこの船に我先と乗り込みました。

あの日がつい昨日のように思い出されるわけですが、こないだリリースから6周年を迎えたとか……。リリースしてしばらくは僕もまだ大学生だったので、レポートとか卒論を書きながらずっと周回してました。良くも悪くもゲームシステムがあまり大きく変わらないので飽きも来るのですが、ふとした時に復帰するときのハードルの低さも魅力のうちかも。総プレイ時間でいえば、もしかしたら僕の中でいちばん長いゲームなんじゃないかなという気がします。

ちなみに愛刀は愛染国俊(CV.山下誠一郎さん*14)や大包平(CV.小野友樹さん)あたり。キャラがパッと浮かぶ人はお分かりかと思いますが、キャラクターの向いてる方向性が近いですよね……小学5年生みたいな性格で、声がでかくて、あと赤いんですよ……

あんスタ

うたプリで声優楽曲に活路を見出し、その後2次元アイドル作品を中心に界隈を漁っていた僕が「どうやら細谷さんが2次ドルをやるらしい」の情報をもとにたどり着いたのがあんスタでした。生々しい話ですが、ここで僕ははじめてソシャゲへの「課金」を覚えました。

細谷さん目当てであんスタを始めたわけですが、僕の推しになったのは「流星隊」という、戦隊ヒーローをイメージしたユニットのリーダーの守沢千秋でした。

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守沢千秋さん、「今時期流行らない」「子どもっぽい」って言われながらも、ヒーローになることを目指して努力する人ですが、現実の自分自身は特別な能力を持たない普通の人間(むしろ弱かった自分を変えるためにヒーローを目指している)なので、当然理想と現実のギャップに苦しむ描写がたくさんあって、でもヒーローだからそういう弱いところをなかなか表に出そうとしなくて……そういうところが非常にエモくて見てて苦しくなるくらいに好きだったなぁ。守沢推しだった僕が辻本さんにたどり着いたの、あまりにも順当すぎる……

あんスタというゲーム自体「キャラクターをいったん大きな闇にぶつけて挫けさせて、そこから苦しみながらも立ち上がる姿を描く」みたいな商法がウケてるゲームだと思うので、推しは好きだったけども追えば追うほど精神的にハードモードになっていくゲームだったなと思います。ただ、それとは別の理由*15でゲーム内で推しを別ユニットの大神晃牙くん(CV.小野友樹*16)に乗り換え、またまた別の理由*17がトドメとなって、数年前から全然さわらなくなってしまいました。

ちなみに僕が「いまあんスタやっててね~」なんて師匠Aに紹介したら、いつの間にか僕よりも深い沼*18にズブズブ……その付き添いとして僕は某ビッグサイトで行われるフリーマーケットに初参戦を果たし、お作法を学んだうえでその後自分も欲しい御本を買いに行くようになったのでした。*19

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ

ガンダムを含むロボットアニメ、名作が多いよ~とは聞き及んでいたけどなんとなく手が出せずにいたら、新作情報が出てしかもメインどころに細谷さん!ということで視聴が決定しました。細谷さんのオルガ、めちゃくちゃカッコいいのよね……

前半から児童労働とか人体の改造手術の話がてんこ盛りできつかったけど、後半になっていくとそのキツさがどんどんエスカレートしていくのでマジでしんどかった……。ちなみに心情は鉄華団サイドにあったけど、キャラクター単位で見たら僕はどうしてもアインくんから目が離せない人でした。

こないだツイートしましたが、なんでこういうしんどい作品を「面白い」と感じるんだろうか……この場合の「面白い」はまちがいなく”interesting”なんだろうし、そういう興味関心は人並みにあるんだけど……本質的なところで僕はこういう作品をどうやって楽しんだらいいのかがよくわかってないのかもしれないというか、何を語るべきなのかわかってないような気がして……もっかい見返してみようかなという気持ちになりつつある今日この頃*20

しかしフォロワさんがいま視聴中っぽいので、これ以上のネタバレは伏せておこうと思います。見終わった後の感想を楽しみにしていますね~(私信)

スタミュ

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スタミュ、どのくらい知名度があるのか僕もよくわかってないのですが、演劇はずぶの素人の主人公が、ミュージカル俳優を目指す高校で悪戦苦闘する姿を描いた青春群像劇アニメです。毎話キャラソンが挿入される仕組みになっていて、しかも細谷さんと前野さんがメインキャストにいるんですよね。僕が手を出さないわけがないです。

知っている人はちょっと見ればすぐ気付くと思うのですが、作品の舞台は男性版宝塚高校なんですよね。

一見すると平和そうな作品ですが、高校生の生活を描きつつも青春ならではの葛藤とかをうまく描いていて、思いのほかしんどいところにまで切り込まれます。種類は違いますが、オルフェンズを見てた時並のキツさを感じることもしばしばありました。楽曲はすごくおしゃれというわけではないけれど、歌詞がアニメ本編のストーリーに則りつつもしっかりしてるので、個人的にはかなり楽しめました。

しかし作品のテーマが「夢を諦める方法なんて、知らない――」ってところだったり、男性版宝塚的な世界観だったり、主人公が素人スタートだったり、思わぬところでボイメンとの親和性がかなり濃いですよね。作品の持つしんどさもボイメンと似たような方向性なので、意外と刺さる方も多いかもしれないです。

金色のコルダ3 

乙女ゲームもいくつか通ってきましたが、いちばん時間をかけてやったのが金色のコルダ3とそのスピンオフシリーズですね。

乙女ゲームとか少女マンガをみるとき、僕が一番気になるのはヒロインのキャラクターだったりします。どんなに攻略対象の男性陣が良くても、ヒロインがわがままだったり、逆に超の付く優柔不断だったりすると、「こんな子のことを好きになるなんて変わった男だな……」という感情が出てきてしまって物語に集中できなくなっちゃうんですよね。ちなみに僕がちゃんと最後までやりきった乙ゲー、パッと思い出せる限りで「緋色の欠片」「明治東京恋伽」「三国恋戦記」「Code:Realize」「黒蝶のサイケデリカ」あたりが挙がってくる*21のですが、どれもわりとヒロインちゃんがかっこいいゲームだと思うんだよなぁ。

さてコルダの話です。ヒロインの小日向かなでは、幼い頃はヴァイオリンの神童と呼ばれていたけれど、その後伸び悩み、高校2年になる春に同じような境遇にある幼馴染の如月響也とともに音楽の名門「星奏学院」へと転校し、さまざまなライバルと出会うことで音楽の才能を再び開花させていく……というのがストーリーの幹の部分になります。

攻略対象は「さまざまなライバル」たちになるんですが、かなでちゃんは男よりもヴァイオリン!デートよりも練習!って感じの子なので、普通にゲームをしていると「あれ?これって恋愛ゲームなんだっけ?」というようなノリで進みます。かなでちゃんの発言の選択肢の中には相手に対する挑発というか、かなり好戦的な発言も多かったりして、乙女ゲーム的な甘さが極限まで薄いところもコルダの面白いところだと思っています。

ただ、さまざまなライバルとの恋愛を成就させていく中で、僕がどうしても見捨てられなかったのが、幼馴染の響也くんでした。

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全力で逃げ出せ 自分からも走り去れ

見えなくなるくらい 遠くなれたらいいのに

こんなに暗いキャラソン、僕は未だかつて見たことがない*22です……

転校して新たな環境で頑張ろうとするかなでに対し、響也はというと「どうせうまくいきっこない」「やるだけムダ」とひねくれMAX。もともとはかなでのことを妹のように可愛がり、「仕方ねぇな」と言いながらなにかと世話を焼いてくれる存在*23だったのですが、転校先の星奏学院には響也の兄であり、学生ヴァイオリン界でもその名を轟かせるほどの名手如月律がいたりして、響也はますます自信を無くしてしまいます。その時の心情を歌にしたのが先の「星のカケラ」なんですが……こんな失意のどん底にいる幼馴染を放り出して、他の男とイチャイチャできるかって話ですよ……。*24

ただこんなことを言ったそばからアレなのですが、響也くんはそのキャラクター的にも噛ませ役がすごく似合う子でもあります。響也という幼馴染がありながら他のキャラクターを攻略するときの後ろ髪の引かれ具合はちょっと癖になるというか……*25

なんにせよ、僕が推しとの関係性に対して「甘さ」よりも「塩辛さ」みたいな味付けを求めがちなのは、もしかするとコルダの世界観に浸りすぎたせいなのかなぁ…と思ったりします。

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ちなみに全然余談なんですが、コルダ3本編のほかにスピンオフシリーズが4作あり、それをすべてダウンロードすることで5作目のスピンオフにたどり着けるという仕組みなのですが、その5作目に前野くんの演じるトーノというキャラクターがいてですね……この子のシナリオが弩級のええ話なんですわ……アナスカ函館天音の話がしたい……

アイドルマスターSideM

濱さんの項で少し触れましたが、SideMでの僕の担当*26はFRAMEというユニットと、そのユニットに所属している元消防士アイドルの木村龍くんであります。


THE IDOLM@STER SideM ST@RTING LINE-08 FRAME 試聴動画

元消防士の木村龍くんのほか、元警察官の握野英雄さん、元自衛官の信玄誠司さんの3人で結成されたユニットFRAMEは、とにかく「現状肯定ヂカラ」が強いのが特徴です。わりとアイマスのアイドル達って「トップアイドルになる!」みたいな、こちらの手を引っ張ってくれるような子が多いのですが、彼らの方向性は「世界中の人たちを笑顔にしたい」みたいな路線なので、楽曲を聴いている人に寄り添うような、こちらの背中を後ろからそっと押してくれるような、そんな雰囲気のユニットです。

特に彼らは元職が「誰かを助ける」職業の人たちなこともあって、「困ったことがあったらいつでも呼んでくれ!」みたいな力強いメッセージを発信してくれるのですが、これに僕はいつも救われてました。目覚ましでFRAME、出勤前にFRAME、やらかした日の退勤の途上でFRAME……といった具合で、彼らに励ましてもらいながら毎日をなんとか過ごしていました。ほんと彼らがいなかったら、僕はたぶん全然違う人生になってたと思います。

ちなみにデビュー曲「勇敢なるキミへ」のサビの歌詞に「シュンとしないで今 Only Name 呼んでくれよ "FRAME"」ってのがあるんですが、ライブだとこの”FRAME”のところは会場全体で叫ぶところになります。名前を呼ばれて、誰かに必要とされることで生き生きと輝くアイドルってすごいよな……。

それまで僕はイベントやライブで大きな声を出すことに抵抗があった(周りの人たちと音域が違うので目立つのが嫌だった)のですが、彼らのライブで初めてちゃんと大きな声を出して名前を呼んだっけな……。あの瞬間、僕の知らなかった新しい世界が開けたような気がして、それ以来世界が一段と色鮮やかになったような感覚に包まれたっけ。そういう意味でも彼らには本当に感謝しています。

ちなみに僕の担当は元消防士の木村龍くん(20)。常にありとあらゆるトラブルが降り注ぐ不運体質だけれども、そんな境遇にめげずに明るく元気に、そして地道な努力を重ねる*27姿が健気で愛おしくて、やっぱり彼のことも目が離せなくなっていきました。イメージ的にはなんでも勢いで解決するタイプに見られがちですが、実際は(不運体質の生い立ちに影響されてか)慎重派だったりする一面もあったりして、つくづくSideMのキャラクター造形ってすごいなと思わされます。 

最近はあまりFRAMEのお世話にならずに日々を過ごしているので、この記事を書くにあたって彼らの楽曲を聞き直して、すごく懐かしいような気持ちになりました。彼らに対して「あんなにお世話になったのにご無沙汰してごめんね」という感覚の一方で、「彼らの支えがなくてもそれなりに生きていけるようになった自分の成長」みたいなものも感じました。ありがとうFRAME。

A3!

元舞台役者のヒロインがつぶれかけの劇団を立て直す!というシナリオのソシャゲ作品です。「イケメン役者育成ゲーム」って帯がついてるけど、あってるような違和感があるような……うーん。

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濱さん推しの僕は当然秋組・七尾太一目当てで始めました。

太一くん、明るく社交的な性格で、自然と人の懐に入り込むことのできる愛嬌がある子なのですが、その一方では自分に対する自信がなく、目立てない地味な自分に対してコンプレックスを抱いているという、陰と陽の落差がすごく大きい子でもあります。はじめは陰陽のコントラストが得意な濱さんが活きるキャスティングじゃないの!お手並み拝見!くらいのつもりだったのですが、こんなにすごいことになるとは思ってませんでした。

七尾太一はめちゃくちゃ自信のない子で、それは彼の周りにいる人たちがすごすぎるというのもそうなのですが、褒められた経験に乏しいということが影響しているように思うんですよね。MANKAIカンパニーに来てからの日々で、太一は自分が気づいていなかった長所を知り、努力を重ねて自分の魅せ方を理解していくのですが、その彼の成長過程を見ていると、平々凡々とした自分も頑張らなければいけないんじゃないかと思わされることが多々ありました。

そして触れずに終えることはあまりにも不自然だと思われるので言及しておきますが、同室の伏見臣との共依存的な関係も湿度が高くていいんですよね……七尾のオタクはみんな黄色いシールを見たら泣くでしょ……*28

少年ハリウッド 

男性2次ドルを漁っていた時に、なかなか手を出せずに後回しにしていた「少年ハリウッド」ですが、他の作品とはいろんな意味で別格です。次元や性別を問わず、アイドルというものを推しに持っている方は、だまされたと思って一回は見てほしい……そのくらいの作品です。


♪HOLLY TRIP/少年ハリウッド【少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 50-OP】

あらすじとしては「普通の高校生が突然怪しげなおっさんにスカウトされ、アイドルになっていく様子を描いたアニメ」なのですが……この作品の肝は「アイドル」に対する独特な切り口にあります。

昨今のアイドル物のアニメ(同じ男性アイドルうたの☆プリンスさまっ♪、2期を同じ時期にやっていたアイドルマスターシンデレラガールズなど)とは大分方向性が違う。劇場ハリウッド東京を拠点に、々しさよりは地な(悪く言えば地味な)姿を年ごろの少年たちの悩みを交えながら描くスタイルきらきらとしたアイドルの成功物語というよりは、アイドルとして生きるとはどういうことかを学んでいく、少し顔が良いだけの普通少年たちの物語である。とりあえず第1話でデビューのために自分の決め台詞と決めポーズ練習させられる姿を延々と見せられると書けば大体ノリがわかるのではないだろうか。

キャラクターデザインデフォルメの少ないリアルタッチ初見で拒否反応を示した視聴者も多いかもしれない(だがそれがいい)。1期ではクリスマスデビューライブまでの過程を描いていたが、肝心のライブは、アニメでは描かれず12月24日ニコニコ生放送他で音配信された。2期は小規模ながらも順調にアイドルとして歩みを進めていく中で、少年ハリウッドになるとはどういうことかを様々なにぶつかりながら学んでいく。

(以上ニコニコ大百科より引用)

https://dic.nicovideo.jp/a/%E5%B0%91%E5%B9%B4%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%83%E3%83%89

(ごめんなさい……うまく説明できなさそうだったので、概要の説明はニコニコ大百科からの引用に頼ってしまいました。)

オタクやってると、アイドルのファンサをどういう気持ちで受け取ったらいいのかとか、アイドルとの適切な距離の取り方とか、アイドルの将来のこととか、オタクはアイドルからどういう風に見えてるのかとか、いろんなことを考えてしまうことってありませんか?そういうふとしたところの引っ掛かりを取り上げて、ひとつひとつの絡まりをほぐしてくれるような作りになっています。

劇中に出てくるセリフにも含蓄を含んだものが多く、「どんな道も、あなたが正しかったと思った瞬間、その後ろの道も全部正しいものに変わる」「アイドルはね、追いかける側の時と場合によっては、神にだって生贄にだってなってしまうんです」等々、生きている推しを持つものとしては目から鱗が落ちるような言葉が出てきます。

あとは設定的にも「何者でもなかった少年がアイドルになっていく」姿なんかは、ちょっとボイメンと通じるところがあるような気がします。絶対に面白いと思うのですが、独特な絵柄でドロップアウトしてしまう方が一定数いるのも事実。すぐ慣れるから!ぜひ見てみて!

ちなみにライブシーンまで含めて全編手書きにこだわったアニメなので、歌ったり踊ったりするシーンは多くありません。しかし本編終了後、クラウドファンディングで集めた資金をもとに、アニメの最終26話で描かれたクリスマスライブのフルバージョンが制作されました。しかもググったらYoutubeに無料公開されていたので、リンクを貼ってみました。動画の尺は90分ですが、ライブ自体の尺は1時間ほどなので、ライブ本編だけみたいよって人がいたら、下の動画の開始後30分くらいの地点から見始めるとよいかと思います。


少年ハリウッド-HOLLY STAGE FOR YOU-完全版

 

3.BL作品

女性向けや男性声優界隈にこれだけ浸かっていれば、当然BLも嗜みます。むかしから商業誌をジャケ買いするのが好きで、今でもたまに「ちるちる」の新刊情報を見ては、好みの作品が出たらちょこちょこ買ってたりします。

そういう世界があることを僕はまったく抵抗なく受け入れられた(さすがに書店でBLコミックコーナーに立つときには周りの目線が気にならないことはない)し、なんなら普通の少年漫画よりもBLの方が楽に楽しめるような気がするのですが、なんでかなって考えたときに思いあたったことが3つほどありました。

①少女マンガのようにヒロインの質に左右されにくい

②NLと比べて「なぜ好きになったのか」の理由付けが丁寧

③商業誌は1巻完結が多いので、気軽に手を出せる

 

①は「男だって同じやろ!」と怒られそうな気もしますし、実際BLでも「なんなんこの受け……」ってキャラは見かけます。ただしBLの場合は受け攻め共に「こんなキャラですよ」みたいな事前説明が丁寧だったりするので、場数を踏んでいくと地雷を回避することが出来るようになったりします。

②もそのままです。別に人を好きになるときにいつも理由があるわけじゃないとは思うんですが、そこを描いてこその物語やろ!って思ってしまうので。なぜあえて一般的でない同姓を選ぶのかというところを丁寧に描いていると、お話としてぐっと引き込まれます。

③はホントにオタク活動がいい加減になってきた昨今になって実感するのですが、続き物って次の巻が出るころには前の話を忘れちゃったりしませんか?そもそも次がいつ出るのかもチェックできてないと、いつの間に流れに取り残されていたみたいなこともままあったりして……*29

というわけで、僕が出会ってきたBLたちの中から、沼にズブズブするようになったきっかけとなった作品をいくつか挙げてみようと思います。

www.chil-chil.net

僕の商業BLの入り口はおそらく腰乃先生でした。コメディ要素が強くて入りやすかったこともそうですが、『部活の~』がドラマCD化されていた(攻めが羽多野渉さん、受けが鈴木達央さんなのですが、どちらもいろいろな作品でお世話になっていました)ことが直接の決め手だったように思います。

その後しばらくは高校生のピュアな恋愛を描いた作品をうろうろしてました。高校生を題材にしたBLなんぞ山ほどありますが、当時好きだったのは古谷渚さんの作品かなぁ。とにかく絵柄の相性を重視していたので、設定の趣味ってのはこの時にはまだなかったように思います。

そしてこの作品をきっかけに羽多野さんに興味を持った*30ことが、次の出会いにつながります。

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原作は小説で、CDとコミカライズも出ているのですが、CDでは攻めが羽多野さん、受けは野島裕史さんが演じられています。

商業小説を嗜まれている方なら、「木原音瀬」の名前に耳覚えがあるかもしれませんが、「痛い」「しんどい」系の名手として有名な方です。ピュア系作品ばかりをさらっていた僕にとって未知の世界だったので、どんなもんかなと思ってコミカライズから足を踏み入れてみたのですが、想像を絶するしんどさがありました。

 

推しの話をすると、他のオタクに「あなたは何で彼のことが好きなの?」と訊かれることがままあります。「顔がいい」「スタイルがいい」「性格が好み」等々、いろいろな理由があるとは思うのですが、僕はこの問いに未だに上手に答えられません。

その理由の最大の要因が、相手の行動を好きな理由にしたくないからです。

「がんばっているから」「やさしいから」という理由は、一見すると好きの理由にふさわしいように思えるのですが、相手ががんばらなくなったら、優しくしてくれなくなったら、相手のことを好きじゃなくなってしまうんでしょうか。そうではないと、きっと僕は思いたいんでしょうね。

さて、このお話の攻めである高久透は、交通事故に遭って記憶喪失になったことで、過去の因縁を忘れて受けである藤島と穏やかな関係を手に入れます。ところがのちに記憶が戻ると、透は藤島への態度を一変させ、暴力に走ります。

でもどんなに暴力を受けても、藤島は透を突き放すことはしないんですよね。相手を愛するということの本質を、この作品を通じて教えてもらったように思います。

 

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さて、お話は全く違うところに移ります。

絵柄至上主義でジャケ買いを繰り返しているときに、偶然見つけた作品が『リンクス』でした。4組のカップ*31の成り初めをオムニバス形式で描いていくという、物語の展開のさせ方がオシャレな作品なのですが、この作品が僕にとって革命的だったのは「ヤの付く自由業」の方々のお話が入っていたことでした。

もともとアニメやゲームを通じてヤンキーモノを好むようになっていた僕ですが、たぶんワンピースに触れていたころから、あの「任侠的世界観」みたいなものへの親和性が育まれていたんでしょうね~。情に厚く、仁義を通すことに価値を置く人たちとBLの相性が悪いわけがなく、しかも彼らは傷とか痛みとかに強いってのも、濡れ場の品格をアップさせますよね~。(なに言ってんだ僕)

ちなみに話は戻りますが、のちにこの作品もドラマ化され、僕が登場カップル4組8人の中でいちばん気になっていた彫金師の亀田さんの声を担当されることになったのが、古川慎さん*32でした。先に挙げた推し声優さんたちはあまりBLCDには出ない方々なので、この段階で気になり始めた古川さんが僕にとってのBLCD界での推しになっていきます。*33

閑話休題

というわけでヤンキーとヤクザを併せて「アウトロー系」BL*34という新たな境地を開拓した僕は、今までのピュア系作品では物足りなくなり、ちょっとエグ目の作品にも手を出し始めることになっていきます。 

そのアウトロー作品の名手として僕が敬愛するのが、ゆくえ萌葱先生です。

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萌葱先生との出会いは、目つきの悪いヤンキーが登場する「睨めば恋」シリーズでした。「睨めば~」もすごく好きなのですが、2019年に登場したこの『白刃と黒牡丹』は「組」が舞台の作品です。

ヤンキーとかヤクザって基本的に愛情表現がヘタクソ人たちとして描かれることが多くて、面と向かって好きって言わないそのいじらしさみたいなところでニヤニヤさせられるんですが、萌葱先生は「言葉にしないけどちゃんと愛を伝える方法を持ってる」人を描くのがめちゃくちゃうまいんですよね~。

そしてもうひとつ、僕のヘキとして挙げておきたいのが「攻めより受けの方が屈強であってほしい」という点です。華奢で可愛らしい受けって僕にはあんまり刺さらなくて、むしろ絶対無敵で絶対地面に頭をつけたりしないけど、心を許した相手に対しては自ら下になるみたいなところに萌えってのがあるんじゃないでしょうか。あとすごく身も蓋もないことを言えば、屈強な方が受けをやった方が征服欲みたいなのが満たされるというか。*35萌葱先生はどの作品も屈強な方を受けにおいてくださる貴重な作家さんなので、本当にいつもありがとうございます。

でも別に、僕がアウトロー系作品しか読まないわけではないんですよ?ということで、コレも挙げておきましょう。

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僕の好きジャンルをもうひとつ挙げるとすれば、それは「グルメ系」です。食べ物が出てくる作品って基本的にすごく優しい世界観になることが多いのですが、その気付きをくれたのがこの『僕らの食卓』でした。

とはいえ特別な料理が出てくるわけではなく、家事にそれなりの覚えのある一人暮らしリーマンが、「爆弾おにぎり」をきっかけに父子家庭を支える高校生に基本的な料理を教えるといった内容で、すごく特殊な要素があるわけではありません。日常生活の中にある小さな幸せを丁寧に拾い上げて優しいタッチで描いたことで、すごく素敵な作品が出来上がっているのですが……アウトロー好きがとやかく言っても響きませんよね。笑

とにかくすごく良い作品なので、ぜひ一度読んでほしいです……。

 

キリがなくなるので5作くらい挙げて終わりにしようと思ったんですが、BLの世界の幅広さをお伝えするためにもう一作品だけ挙げさせてください。

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 これ、なんとアウトロー系」かつ「グルメ系」という、僕のヘキを撃ち抜くために作られたんじゃなかろうかと思うような作品です。全体の雰囲気はコメディチックなので、グルメを足掛かりにアウトローに挑戦したい人(そんな人おるんか……)には是非お勧めの一冊です。

 

あとがき

本当ならこの後に「まじやみ的男性声優楽曲10選」を続けようと思ったのですが、ちょっと記事の長さが途方もなくなりそうなので、それはまた別の機会にして、今回はこの辺でいったん閉じようかと思います。

自分の過去ジャンルを振り返ってみて、感じたことがふたつあります。

ひとつが、「当時好きだったものは今でもちゃんと好きなんだな」ということ。辻本さんばかりで一切顧みなかったジャンルも、ハマっていたころのことを思い出してみたり、作品をパラパラめくってみたり、キャラソンを聞いてみたりすると、すごく新鮮な感動に巡り合えて懐かしくなりました。最前線に立って~というわけにはいかないけれど、ジャンルの動向くらいはチェックしても罰は当たらないんじゃないかなって気持ちになりました。

そしてもうひとつが、自分がオタクとして歩んできた時間の長さです。オタクなりたての頃は、お師匠たちの布教についていくのが精いっぱいで、こうやって過去ジャンルについてあーだこーだ振り返る日が来るなんて思いもしませんでした。なので2万字に到達しようとしているこのブログが、僕がそれなりの年月をかけて、それなりの熱量を注いできたことがあったことの証明なんだなと思うと、それはひとつ僕にとっての「誇れること」なのかなと思わないでもありません。

というわけで、大変長くなりましたが、僕のオタク遍歴についての記事でした。

たくさん書いたけどまだ触れてない作品もたくさんあるし、書いても書いてもたぶん満足する日は来ないのと、これを続けても読み物としての中身がどんどん薄くなってしまいそうなので、「それ私も好きだった~!」というコメントや、「これが好きならきっとこれも刺さるはず」という布教まで、リアクションを頂けたら大変喜びますし、たぶんお話してくださいって絡みに行くと思います。笑

いずれにしましても、毎度の自己満足大会にお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。

*1:誰にも通じなさそうだけど、アニワンの作画は小泉昇先生の時代が一番しっくりきて好きだったなぁ

*2:辻本さんが喉の手術で休養した時、ちょうど細谷さんのことも同時に思い出してしまって、勝手にキツさが増幅されてました。特に僕は休養中に細谷さんから離れてしまったので、そういうことに対する罪悪感みたいなのもどうしても感じてました……推しを乗り換えるのが悪いことだとは思わないのですが、自分自身に対しては薄情だなという感覚からはなかなか脱せませんね

*3:アイマスって男性のためのコンテンツという印象があったので、なんとなく僕みたいな部外者にとってはやりづらい環境なのではなどと思ったりして、当時はなかなか踏み出せずにいました。

*4:1stではひたすらに梅原裕一郎さんの美しさに見惚れていて、そこばかり見ていた超ミーハーなオタクでした

*5:厳密に言えば僕の初めての接近イベントは2015年にトレッサ横浜で行われた羽多野渉さんの「覚醒のAir」リリースイベントで行われたポスターのお渡し会だったんですが、羽多野さんとお話するとかそういう考えが一切なかった僕は「はいどうぞ~」「はいどうも~」くらいの流れ作業でこのイベントを終えてしまい。なので僕の中でこれはノーカウントです。

*6:未だにひとりと10秒お話するだけでも死にそうになるのに、大した準備もなく4人連続はちょっと無理があると思うんですよね……話すこと思いつかなさすぎて益山さんに「男性ホルモンちょっと分けてもらえませんか」みたいなわけのわからん絡みをしまったのは今思い出してもしんどい

*7:チョクメという声優界隈がたくさん登録しているサービスがありまして、月額300円くらい払うと推しからのメールを受信できるシステムです。一般的な声優さんは週に1~2通だったり、あるいはイベント後にはオフショ的な写真と一緒に感想を送ってくれる人もいるのですが、濱氏は月に1通ペースで、しかも内容は飼ってるデグーマウスの写真と近況ばかりだったので、僕はその登録料を「お布施」と呼んでいました。

*8:一番ひどい強行軍は東京から高知までの夜行日帰り往復かなぁ……日曜に桂浜でトークショーをやると聞いて、土曜の仕事が終わってから夜行に乗って、翌朝高知に着いて聖地めぐりをしてからイベントを見て、その夜の夜行に乗って翌朝東京について、一瞬家によってシャワー浴びてそのまま仕事に行った。

*9:濱さん演じる菅さんは、すったもんだの末に投身自殺で水死する

*10:濱さんと同事務所の年下先輩ってだけでもオタク的にはやりづらさを感じてしまいます

*11:ワンピースやテニプリのキャラソンで文化としては知っていたのですが、ちょっと詞が子ども向けっぽくてそのころはあんまりハマれませんでした。ただワンピのキャラソンの作詞って進化理論の藤林聖子先生だったりするので、人生って何があるかほんとにわからんなとしみじみ思います

*12:ファンの人にはめちゃくちゃ怒られそうだけど、黒崎蘭丸の似てないモノマネをしながらBRIGHT ROADとかを歌うのがメッチャ楽しい……

*13:筆頭格はゾロや土方十四郎ですが、CV中井和哉が好きだから三白眼キャラが好きになったのか、あるいは三白眼キャラが好きだから中井和哉が気になったのかは永遠の謎です

*14:山下くんは刀剣で出会ったあともちらちら気になっていたのですが、前野さんと一緒にBLCDに出ると聞いて即買いした記憶があります。「まほろばデイズ」といって、確か前野さんが鹿だったような。

*15:待ちに待った新ユニットソングがピンとこなくて個人的にかなり落胆した

*16:すでに刀剣で名前が出てますが、推しにカウントしてないだけでおのゆさんも結構好きなんですよね…しかも彼のでおかげでおはスタの定期視聴を初めて、そのおかげで辻本さんに出会えたと言っても過言ではないので、おのゆさんには一方的にめちゃくちゃ感謝しています

*17:細谷さんの休養で、ストーリー上主人公格としてたくさん登場する氷鷹北斗くんのCVがよりによって前野さんに交代するという、とんでもなく心理的に複雑な事情

*18:高峯×守沢、通称みどちあ。2次創作もいろんなものをつまみ食いしながらやってきましたが、If設定の幅広さと執筆陣の力量が揃ってるジャンルってなかなかないですよね

*19:短い転校生ライフの中でも流星隊とUNDEADを推したので、やっぱり返礼祭が一番イベントとして記憶に残っています。あと返礼祭が終わると、時空が初めて出会った4月に逆戻りしてしまうあのシステムもなかなかに辛かったなぁ。

*20:そもそも僕はこの手の作品にあんまり触れてきてなくて、ガンダムは鉄オル以外ではダブルオーしか見たことないし、そういうところの経験を今後もっと積んでいきたいなと思いました

*21:ちなみに薄桜記はいきなり土方ルートに進んで途中で挫折し、遥か3・Vitamin・華アワセは積んだままほこりをかぶっています。やりたいんだけど大学時代みたいにまとまった時間が取れなくて……

*22:ちなみにオタクになる前に僕が好きだった中島みゆきだったらこのくらいの曲はたくさんありますよね

*23:ちなみに響也、別のキャラソンではめちゃくちゃにかなでに甘々な態度を披露しています。歌詞からして「お前ってヤツは!」っていろいろすげえ 歌詞→ https://www.utamap.com/showkasi.php?surl=dk100408_24

*24:ちなみにまもなくリリースされるゲーム「金色のコルダ スターライトオーケストラ」ではコルダ3の10年後の世界を舞台にしているらしいのですが、そこに如月響也くんが「伝説の演奏家」として実装されることが先日やっと決まりました!事前登録が12万件という超絶に高い壁を課されたオタクたちは「推しを人質にとられてるんです!」という悲痛な叫びを繰り返していましたが……それよりも僕は響也が「伝説の演奏家」枠に入れてもらえる存在になったということがすごくうれしいです。あ、ちなみによかったらスタオケ事前登録へのご協力をお願いします→https://starlight-orchestra.gamecity.ne.jp/index.html

*25:まったくの余談ですが、アニカフェで響也くんのバースデー特典が配布されたとき、僕は抽選に全落ちしたのですが、師匠Bが一日だけ当選しまして……ただその日程が僕の大学の卒業式とバッティングしていて、僕は式と学位授与式の間の2時間ちょっとを縫ってアニカフェスーツ姿で乗り込み、特典を確保するというめちゃくちゃなことをやったことを思い出しました。

*26:アイマスの世界ではプレイヤーは好きなアイドルのプロデューサーとして存在しているので、「担当」と「推し」はだいたい同義と考えていいように思います。ただし「担当プロデューサー」と「ファン」を明確に分ける立場もあるので、用語の使い方には注意が必要です。

*27:電車の遅延や道路の渋滞は日常茶飯事なので、約束の時間の1時間以上前に到着できるようなペースで移動するのが当たり前など

*28:もうここでは書ききれないので、気になった方は是非A3をやって「異邦人」を読んでください……読んだら報告してください……

*29:俺様ティーチャー、ワンピース、あとハイキューなんかも、途中どこまで読んだっけな状態で放置されています。ごめんね……。

*30:羽多野さんは個人名義で音楽活動もされていて、そっちでもだいぶお世話になりました。とくに「I'm a voice actor」という曲がすごく良くて、勢いでライブまで行きました。川崎のClub Cittaでのライブで整理番号7・8の連番を引いたのがいまのところ人生最高のチケ運かなぁ。ちなみに同行の友人は急遽来られなくなり、代わりにTwitterで募集した同行のお姉さんとはBLの話で盛り上がりました。笑

*31:

*32:古川さん好きだな~と思って深夜のMXを徘徊していたら、偶然声が聞こえて視聴開始したのがOrangeでした。須和がめちゃくちゃいいヤツすぎるのと、翔役の山下誠一郎くんの不安定な感じでガッとハマって、映画館嫌いの僕が劇場まで足を運んで映画版()も見ました。

*33:古川さんメインのBLCDを探していたら、いつの間にか佐藤拓也さんとの共演作ばかりを漁っていました。そもそも共演作が多いのは間違いないのですが、佐藤古川のコンビは左右もツッコミ・ボケも自由自在というハイブリッドペアだったというのが面白かったです。最初に行きついたのが「ジェラテリアスーパーノヴァ」で、その後「無自覚ラブファクター」「簡易的パーバートロマンス」「恋愛不行き届き」と進みましたが、どれもしっくりきて個人的には大満足です。また他の作品もこのペアで来ないかなぁ

*34:ちなみに僕はそこに勝手にウリの世界も加えていて、僕の本棚はなかなかにエッジの効いた作品が並んでいます。ふつうの来客者には見せられません。

*35:ほんとに屈強受けって少ないのですが、体格的にはそこまでの差はないけれど受けの方が男前な作品(通称「男前受け」)はちらほらあって。スカーレット・ベリ子先生の『四代目・大和辰之』なんかは一時記ガッツリはまりました