難破船まじやみの冒険

迷いながら日々生きています

RED 赤羽一真

ボイメンステージ「諦めが悪い男たち」全日程が終わりました

スタッフの皆さん、演者の皆さん、本当にお疲れ様でした。

 

昨日までに7日間13公演を消化したボイステ、本来であれば今日と明日の2日間で4公演が行われる予定でしたが、この社会情勢のなかで断念せざるを得ないという悔しい結果になりました。このご時世を鑑みた時、公演を行うことによる社会的なリスクは小さくなかったはずですが、それでも可能な限り公演を続けてくれてよかったと僕は思っています。僕自身も土日の4公演を楽しみにしていた人間なのですが、4月半ばまではLINE LIVEでお金を払えばBLUEが見られることになりました。もともと劇場に足を運べなかった人にもこの物語が届けられることは、不幸中の幸いといえるのではと思います。

この社会情勢のせいで舞台観劇を断念しなければならなかった方がたくさんいる中で、幸いなことに僕は複数回、公演に足を運ぶことが出来ました。この1週間、文字通り僕の生活のすべてだったこの舞台からもらったエネルギーが、胸の中で溢れかえるのを感じています。そして全公演が終わってしまったことで、しばらくあのエネルギッシュなステージを見ることが出来ないという虚無感が胸の中に広がるのを感じて、満たされつつも空しいという難儀なボイステロスに陥っているところです。

今回の舞台期間中、ネタバレにならないようにと(あれでも一応)苦心しておりまして、思ったことや書き残しておきたいことをメモに残していたのですが……あとから見返してみると、なんともとりとめのない妄言ばかり。とはいえ、公演期間中に僕の心が激しく動かされたこともまた事実ですから、僕の心の供養を兼ねて、つらつらと感想を残しておこうと思いました。相も変わらず気持ち悪いオタクポエムなので、そういうのいらないんで、って方はこの辺で戻っておいた方がよろしいかと。

 

 

赤羽一真くん。30歳。少し前まで一世を風靡したアイドルグループ「グローリーズ」の熱きリーダー。

LINE LIVEでは小林豊大先生が演じられた一真くんが配信されました。ゆーちゃむが演じる一真くんには、ゆーちゃむ自身の持つ「強さ」が滲み出ていてめちゃくちゃかっこいいのですが、僕はどうしても辻本くんのオタクということもあって、どうしてもRED公演の赤羽一真くんが忘れられなくて、なんとかして皆さんにもREDを見てほしいんですが…でも円盤発売は7月22日なんだよな…遠いよ…

 

赤羽一真くん、グローリーズのリーダーであり、後輩くんキラジェネにとってはあこがれの先輩であり、弟の進太郎から見たら自慢の兄なんですよね。これだけいろんな登場人物の視線を集める一真くんは、いかなる時も強くあらねばならない、まさにスーパースターとして描かれています。

スーパースターなのであれば、それ相応の根拠がなければならないのですが、辻本さんの演じる一真くん(以後RED一真)が強い人間かと言われると、決してそんなことはないように思います。

REDの一真くん、弟の進太郎にアイドルをやめることを約束させられるときも、そのこと知ったを裕次郎に詰め寄られるときも、一真くんの中に映るのは常に相手の感情に応えようとするもどかしさ。タクトの一真に対する態度も、一真を「かっこいい先輩」と思っていた時期を完全に超えた人のソレだし、いわゆる絶対的なアイドルとして一世を風靡した人が持っていそうな、ギラギラした強さってのはRED一真にはあんまり見られないんですよね。(ちなみに僕は西園寺の初登場シーンで、下手側で西園寺の一挙手一投足にヘコヘコしながら作り笑いを浮かべる一真がめちゃくちゃかわいくていつも双眼鏡で見てました。たくみくんのターンなのにあんまり見てなくてごめん)

じゃあRED一真くんが弱い人間なのか?って言われたら、きっとそうじゃない。

彼は目立ってナンボの芸能人として周りを蹴落としながらグイグイやっていくにしては、きっと純粋で優しすぎる性格なんだろう。でも同時に、彼がスーパーアイドルにまで押し上げたのも、きっと「周りの期待に応えたい」っていう彼の優しさが原動力なのではないだろうか。進太郎くんの頼れる兄ちゃんとして育ち、裕次郎と大輝と竜哉とグローリーズを始めて、たくさんのファンに囲まれて、自分を慕う後輩が現れて、そういうものに求められながら、誰かのために強くなろうとしてきたのがREDの赤羽一真なんじゃないか……進太郎くんの歌の中の歌詞にある「戦いながら守る道」っていうのは、自分だけじゃなくて、自分のことを信じてくれる人みんなのことを守るために戦い続けた日々のことを指しているんじゃないだろうか……

RED物語の中で、一真は次々起こるハプニングに対してかなり浮き足立った様子を見せる。その彼の発する言葉には、カリスマ的な威圧感で周囲をまとめていたBLUE一真ほどの説得力や安心感はない。特にREDの舞台監督の迫田(浦上くん)は、BLUE(つっちー)よりもかなり厳しい態度で一真に当たっていて、一真がかわいそうに思えるくらいの追い込みっぷりだった(そこまで役を作り上げた浦上くん、すごくよかったよ…!)。でも結局は、ぶっつけで幕を開けてみれば、一真が必死になりふり構わず奮闘しながらもなんとか舞台を成功に導いていく姿を見て、「なにしとんねん…しゃあねえなぁ…」という気持ちに、迫田を含めたみんながさせられていく。いわば素の彼が持つ「人たらし力」みたいなものが彼をここまで押し上げてきたということが、なんとなくここでまた証明されてしまうような気がするね。(あくまでもこれは個人の妄想です)

 

このRED一真くんのキャラクター、あまりにも辻本達規という人間が投影されていると思いませんか?

そもそも開演前の場内BGM、必ず影ナレのタイミングでワンフォーオールが流れてるんですけど、だいたい影ナレが終わるタイミングで落ちサビに戻ってくるんですよ……毎公演毎公演、始まる前に「みんなの声が俺らを動かす いつだって」のフレーズを聴かされるんですよ……(開演前から客席で涙目になるオタク) 

大反省会の昼の部だったかな、辻本さんが演出の先生から「あなたは引っ張るリーダーじゃなくて、支えられるリーダーが似合う」と指摘された(ニュアンス)みたいなお話を聞きまして。その指摘を受けるまで、辻本さん自身はは引っ張るリーダーとして赤羽一真を演じるプランを立てていたようで(それはそれで愛しい)、その固定観念が壊されたことに対して、すごく辻本さんはびっくりした、意外だったってコメントをしていたような。

突然個人的なオタク語りになるのでちょっと気持ち悪ですが、いつもハードなスケジュールの中でも弱さを見せず、ペース配分度外視の全力のパフォーマンスと笑顔で奮闘する辻本さんの姿に僕は勇気を日々もらって、そのカッコいい姿に惹きつけられて日々楽しく暮らしているんだけれど……でもその一方で、日々限界を超えて頑張ってる辻本さんになんとか報いることはできないか、なにか彼の力になれることがないかって、日々考えてしまいます。結局金を落とすことくらいしかできることはないんだけど。

そして今回は特に、辻本さん自身ではどうしようもないことが原因で、100%じゃない状態で板の上に立たなきゃいけなくなってしまった。今できる100%を届けようともがいてつくり上げてくれたパフォーマンスがめちゃくちゃにかっこよくて、舞台の上から僕の胸に点けられた火が熱くて仕方なくて。

いやホントの話をすれば、あの喉の状態で、2時間の舞台の主演なんかできるのかって、本当は心配で不安で胸がつぶれそうに苦しくて、初日なんかは声の出があんまりよくないところもあったりして、劇場の一席でハンカチを握りしめて、祈りながらひとセリフ、ひとパートを聴いてて。これ以上無理してほしくない、何事もなく終わってくれればそれでいいって願いながら、それでも辻本さんの躍動するこの舞台を止めてほしくない気持ちもあって。そこが余計に「支えられながら強くあろうとする赤羽一真」を見守る周囲のキャラクターの心情とリンクして、この物語への没入性を高める効果になったというのは、やっぱり否定できないことなんじゃないだろうか。そしてその状況でも、最終日千秋楽に最高のステージを見せてくれた辻本さんは、やっぱり僕の中ではめちゃくちゃかっこいいヒーローなんだよな……

 

ここまでずっと、とりとめもなく赤羽一真くんについて妄想を広げに広げてきましたが、考えれば考えるほど、彼と辻本さんとの境目がどんどん分からなくなっています。僕がこんなことになるのは、きっとそれだけ辻本さんが赤羽一真の人生を生ききったということの証明なのではないでしょうか。いやホントに、1秒でもはやく、もう一度RED一真くんの姿が見たくて見たくて……てかほんとにあの衣装と髪型とお顔と、めちゃくちゃにカッコいいので……7月まで円盤は待つから……どうか追加のお写真だけでも構わないので……オタクにRED一真の思い出を恵んでください……(必死)

あと強欲なオタクなのでもうひとつお願いごとを言ってしまうのですが……どうか舞台衣装の辻本さんとのお写真の機会をくださいませんか……いくらでも出すので……後生なので……その時には全身スーツで進太郎くんのコスプレ?をさせてください……お願いです……

 

BLUEが途中で終わってしまって、しきりに「再演」の2文字があちこちで聞こえてくるようになりましたが、REDも座長のコンディションが万全でなかったというところは、もちろん悔しいポイントかと思います。是非もう一度、舞台の上で、今度は完全なコンディションで一真くんを演じる辻本さんの姿をこの目で観たいなというのが、いまの切実な願いです。だって本当によかったんだもん。感動したんだもん。何度も通ったけど全然飽きないんだもん。毎日泣いて毎日感動して、こんなに心が動いた1週間は人生で初めてだったんだもん。この感動を、どうかもっと多くの人にも味わってほしいなって、そう心から思います。そのためにはまず、この社会の混乱が一日も早く収まりますように。そして辻本さんの2回目の喉の手術が、今度こそ完璧に成功しますように。一真くんと辻本さんにもらった勇気を胸に、この2つを願いながら生きていこうと思います。 

 

 

P.S. この物語は舞台を成功させた後、弟の進太郎が「兄さんがもう少しこの仕事を続けられるよう、父を説得してみます」とマネージャーに告げるセリフで終わっていますが、RED千秋楽の際、辻本さんは「このときの一真と自分を重ねたら、もう少しこのお仕事を続けられる喜びがよくわかった(ニュアンス)」と涙ながらに語っていました。(ちなみに辻本さんが泣いたことで会場から笑いが起こり、この続きはお蔵入りになってしまった)

この言葉の真意ってのはどこにあるんだろうって、やっぱり気になってしまって仕方なくて。他人の心中を勝手に推察するのはオタクのサガだけれど、やっぱりそのへんはご本人の口から語られるのを待ちたいな。あの優しくて誠実なつーじの文章、僕は大好きなので。